北海道ガス・鈴木愛斗、チーム初陣で好投誓う

スポーツ報知
初陣へ向け、練習にも力が入る北海道ガス・鈴木

 今春創部した社会人野球の北海道ガス(北ガス)硬式野球部が25日、JABA北海道結成記念大会(小樽桜ケ丘)で初の公式戦(対小樽野球協会)に臨む。昨夏、北北海道代表として甲子園に出場した滝川西OBの右腕・鈴木愛斗(18)が、聖地以来となる公式戦マウンドでの好投を誓った。昨夏は130キロ台中盤だった球速も、1年間で141キロに到達。元侍ジャパン社会人代表監督の小島啓民監督(54)の下、イズムを注入された右腕が、デビュー戦で進化を証明する。

 目前に迫った北ガスの初陣に、はやる気持ちを抑えきれない。約1年ぶりの公式戦のマウンドへ、鈴木の気持ちは自然と高ぶっていた。「今までやってきたことを出し切りたい。力を出せずに負けるのは嫌なので」と右腕が言葉に力を込めた。

 社会人の“洗礼”を受けてきた。今春の練習試合では、札幌6大学1部の星槎道都大戦で先発も、2回途中5失点で降板した。コースを突く自慢の直球もことごとく打ち込まれ、鈴木は「抑えられる気がしなかった」。直球への自信が揺らぎ、変化球でかわす投球が主体になっていた。

 そんな鈴木の姿を、小島監督は見逃さなかった。「おっさんみたいな投球するな!」。将来ある18歳だからこそ、ストレートを磨く努力が必要。直球が衰えたベテラン投手のように、変化球に頼るにはまだ早いことを監督の言葉で痛感させられた。「自分の武器は変化球。それを生かすためには直球が必要だった」。再び、直球を磨く努力を重ねた。

 1から体幹を鍛え直したことで、投球フォームのバランスが安定。昨夏は130キロ台中盤止まりだった最速は、141キロに達した。8月上旬に行われた東都1部の名門・亜大との練習試合に先発し6回3失点と粘投。小島監督も「最初はどうかな、と思ったが一番伸びたね」と評価した。

 昨夏、滝川西のエースとして先発した甲子園は、1回戦で仙台育英(宮城)に3―15の完敗。鈴木は5回4失点で降板の悔しさを味わった。初めて知った全国の壁。それでも、「あの頃よりは成長している」と鈴木。全国切符が懸かった9月の日本選手権道予選へ、まずは初陣での白星で、弾みをつける。(清藤 駿太)

 ◆鈴木 愛斗(すずき・まなと)1999年10月21日、羽幌町生まれ。18歳。小学3年から野球を始め、羽幌中では投手として活躍。滝川西では2年秋から背番号1、3年夏の北大会は全4試合で完投した。家族は両親と弟。171センチ、66キロ。右投右打。

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