9月20日の開幕戦ロシア戦で白星発進し第2戦で優勝候補の一角アイルランドを撃破すると盛り上がりが一気に加速した。1次リーグ突破を懸けたスコットランド戦は、FB山中亮平(31)=神戸製鋼=がタッチライン外に蹴り出しノーサイドの瞬間、最高視聴率は53・7%をマーク。平均でも39・2%で今年のスポーツ中継NO1に立った。ラグビーの魅力にはまる“にわかファン”が急増し「ジャッカル」、「笑わない男」が流行語にもなった。
興奮は冷めやらず、今月11日に東京・丸の内で行われたファンへの感謝を伝えるパレードには平日にもかかわらず約5万人が集まった。代表歴11年で不遇の時代を知るSH田中史朗(34)=キヤノン=は「これだけの皆さんに集まっていただいて、本当にありがとうの一言しかない」と号泣した。
来年1月12日から世界のトップ選手も参戦するトップリーグが始まり、代表選手が所属チームに分かれ火花を散らす。日本代表は続投するジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(50)の下、7月に大分、神戸でイングランドと2連戦を行い、11月には敵地でスコットランド、アイルランドと再戦する。ブームに沸いた19年が終わっても、23年フランス大会に向けた動きから目が離せない。
◆ラグビー日本代表 1930年に初めて結成され、カナダ・バンクーバーでブリティッシュ・コロンビアと対戦し3―3で引き分けた。最多出場はロック大野均(東芝)の98、最多得点はFB五郎丸歩(ヤマハ発動機)の711、最多トライは大畑大介の69。W杯は全9回出場し最高成績は19年の8強。エンブレムの桜からブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)の愛称で呼ばれる。