報知新聞社制定「2019報知プロスポーツ大賞」の受賞者が12月17日に決まった。
近年の巨人黄金期を作った立役者だ。特別功労賞を受賞した巨人・阿部慎之助2軍監督(40)は19年間のプロ生活でチームを3度の日本一、2度の3連覇を含む8度のリーグ優勝に導いた。個人としても、2000安打や400本塁打を達成。「このような賞をいただけて光栄です。今年で現役は終わりましたが、これからは2軍監督として、一人でも多くの若手を1軍に送り込みたいと思います」。今季限りでユニホームを脱ぎ、今は新たなミッションに意気込んでいる。
お立ち台で見せる最高の笑顔の裏では、いつもけがと闘っていた。下半身の肉離れ、背筋痛、右肩痛、首痛…。それでも「みんな、どこかしら痛みを抱えてやっている。簡単には引き下がれない。『痛いから休みます』って、そういう甘い気持ちが出てくるようになったらプロとしておしまい」と弱音は吐かなかった。痛み止めを飲み、ときには注射を打ち、気持ちを奮い立たせてグラウンドに立ち続けた結果が、数々の栄光や記録となって刻まれた。
秋季練習から、すでに指導者として再スタートを切っている。現役時代、故障以外で2軍生活を送った経験がない阿部2軍監督にとっては、ある意味、刺激的な毎日だ。「『技術がないからファームにいるんだ』ということをまず分からせないといけない。練習は量も質も求める。“ド昭和”な感じで鍛えていくよ」。オフは中米や台湾のウィンターリーグ視察もこなし、若手を指導するための引き出しを増やしている。阿部慎之助の野球人生・第2章からも、目が離せない。