【2019年】ボクシング 井上尚弥

WBSS決勝戦でドネアとの壮絶な打ち合いを制し、優勝した井上尚弥 WBSS決勝戦でドネアとの壮絶な打ち合いを制し、優勝した井上尚弥
  報知新聞社制定「2019報知プロスポーツ大賞」の受賞者が12月17日に決まり、「モンスター」が2年連続で日本ボクシング界の“顔”に選ばれた。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)で優勝したWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=は「2年連続で選んでいただき、うれしく思います。僕の試合を評価してもらえたことは来年のモチベーションにつながります」と受賞の喜びを語った。

 今年は2戦2勝。数字以上に大きな意味を持つ勝利だ。「一つは海外で、早いラウンドで、ボクシングの醍醐(だいご)味であるKO決着。もう一つは日本で、2万人の前で12回を戦い、技術や長いラウンドでの駆け引きなどを見てもらえた。ボクシングの全てをお見せできたと思う」
 

 5月に英グラスゴーでのWBSS準決勝は、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に2回TKO勝ち。主要4団体と、権威のある米老舗誌「リングマガジン」認定王者のベルト5本を並べた初の日本人となった。11月7日にさいたまスーパーアリーナで行われた決勝では、元世界5階級制覇ノニト・ドネア(フィリピン)と右眼窩(がんか)底骨折を負うほどの激しい打ち合いの末、判定勝ち。2万2000人の観衆を熱狂させた。
 

 米興行会社大手トップランク社と契約し、リング誌のパウンド・フォー・パウンド(全階級通してのランク付け)で3位に浮上。「これまでひっくるめて、最高の年」と振り返った令和元年の締めくくりが報知プロスポーツ大賞受賞だ。「来年は海外で2戦。自分がどう変わるかも感じながら、今までに味わったことのない1年になると思う」。東京五輪に沸く20年。井上はさらなる飛躍の年にする。
 

 ◆井上 尚弥(いのうえ・なおや)1993年4月10日、神奈川・座間市生まれ。26歳。相模原青陵高でアマ7冠など通算75勝(48KO・RSC)6敗。2012年10月にプロデビュー。14年4月に6戦目でWBC世界ライトフライ級王座、同12月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得。18年5月にWBA世界バンタム級王座を奪取し3階級制覇。今年5月にIBF王座獲得、11月にWBSSで優勝。プロ通算19戦全勝(16KO)。身長164.5センチの右ボクサーファイター。家族は妻と1男1女。

◆2019年プロスポーツ大賞受賞者

部門 受賞者 所属 年齢 受賞回数
野球(セ・リーグ) 丸佳浩 巨人 30
野球(パ・リーグ) 西武 24
男子ゴルフ 今平周吾 フリー 27 2
女子ゴルフ 渋野日向子 RSK山陽放送 21
大相撲 朝乃山英樹 高砂 25
ボクシング 井上尚弥 大橋 26 2
特別功労賞 阿部慎之助 巨人 40 -
特別賞 ラグビー日本代表 - - 2
フレッシュ賞 村上宗隆 ヤクルト 19 -

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