巨人へFA移籍した炭谷と代わるようにして、正捕手へと成長を遂げた今季。マスクをかぶり続けながら数字を残す厳しさを痛感した。「攻守で活躍するのが難しいことは自分自身でやっていて分かった」。だからこそ「打てるキャッチャー」への思いは強い。森が描く理想像は、巨人で4番を任されながら、多くの投手をリードしてきた阿部慎之助(現巨人2軍監督)だ。
特別功労賞に選ばれた阿部も、表彰式に出席予定。新旧の「打てる捕手」によるツーショットが実現する。森は「プロに入る前から目標にしていた人。現役を引退されても、常に阿部さんを目指してやっていきたいし、いずれは超えられるような選手になれれば」と胸を躍らせる。
少年の時、阿部に憧れを抱いた森も、今では子供たちの憧れとなる立場になった。野球教室に行けば、いつも質問攻めにあっている。「自分は体が大きい方ではないけど、プロでもできるってことを子供たちに伝えられたら。この調子が1年で終わってしまったらダメなので、継続していきたい」。24歳の若武者は、理想を追って走り続ける。