3連覇中の広島から巨人へのFA移籍1年目。全143試合に出場し、打率2割9分2厘、89打点、27本塁打と、期待通りの活躍を見せ、チーム5年ぶりのリーグ制覇に貢献した。受賞の一報に「選んでいただいたのは光栄ですし素直にうれしいです」と口にした。
ただ、満足感はない。チームは日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫した。個人としては“リーグ4連覇”を成し遂げたが、日本一には一度もなれていない。「チームも日本一になれなかったし、個人的にも(坂本)勇人さんに助けてもらったシーズンだった」と悔しさをのぞかせた。
チームに計り知れないほど好影響を与えた。春季キャンプでは若手以上の練習量をこなす姿が、多くの選手の刺激となった。シーズンに入ってからは練習前と試合後のマッサージは欠かさず行い、最大限の力を発揮するために最善の準備を続けた。試合でもベンチでノートを書いたり、大きな声でチームをもり立て、巨人に新たな風を吹き込んだ。
シーズン後にはプレミア12を戦う侍ジャパンに追加招集され、世界一も経験。来季見据えるのはチームの連覇と8年ぶりの日本一、そして東京五輪での金メダルだ。「もっともっとレベルアップしていきたいです」。移籍2年目の来季、背番号8がさらなる活躍を見せる。
◆丸 佳浩(まる・よしひろ)1989年4月11日、千葉・勝浦市生まれ。30歳。千葉経大付では高校通算49本塁打を放ち2年夏、3年春に甲子園出場。07年高校生ドラフト3巡目で広島入団。17、18年と2年連続セMVPに輝き、19年から巨人へFA移籍。ゴールデン・グラブ賞は7年連続、ベストナインは4年連続計5度受賞。177センチ、90キロ。右投左打。年俸4億5000万円(推定)。