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表彰
ゴールデンスピリット賞
2001年ゴールデンスピリット賞
第3回受賞者(2001年) 近鉄・中村紀洋
2002年12月13日6時0分 スポーツ報知
プロ野球選手の社会貢献活動を対象にした「ゴールデンスピリット賞」(報知新聞社制定)第3回表彰式が12日、東京・虎ノ門のホテルオークラで行われた。受賞者の近鉄・中村紀洋内野手(28)が、伏見勝・報知新聞社社長からトロフィーを贈られた。副賞の200万円と新設の阿部雄二賞の100万円の計300万円の一部を中村は、地雷で苦しむカンボジアの子供たちに寄付することを明らかにしたほか、今後も野球で子供たちに夢と希望と勇気を与えていくことを宣言した。
打った瞬間、バットを放り投げ、全球フルスイングを公言する金髪のアーチスト。グラウンドでは、派手なパフォーマンスを繰り広げる猛牛の主砲が、壇上でさかんに照れた。「めっちゃくちゃ緊張しました。野球の方がぜんぜん楽」ゴールデンスピリット賞の表彰式で、心優しい一人の男に戻って顔を赤らめた。
今年6月に大阪教育大付属池田小学校で発生した児童殺傷事件。母校の渋谷高が同校に隣接していたことから「自分に何かできることはないか」という気持ちが、中村を心温まる行動にかりたてた。9月11日に学校を慰問、同23日には大阪ドームで行われた日本ハム戦に児童500人を招待した。「1年何組かは忘れたんですが、遺影を胸に抱いている子供がいました。その姿を見た瞬間、涙がこぼれそうになりました。僕が逆に希望を与えてもらった。行ってよかったと思います」
事件が悲惨だっただけに不安もあった。「自分が本当に役に立てるのか。慰問することで逆に忌まわしい事件を子供たちに思い出させてしまわないか」だが、そんな葛藤(かっとう)を子供たちが吹き飛ばしてくれた。必死で生きようとする若い命に触れた時、中村は野球人としての自分に課せられた使命を悟った。
「僕は野球しか知りません。でも、夢と希望と勇気を与えられるスポーツ。また違う意味で社会的貢献ができるよう頑張っていきたいと思います」
まずはプレーで何かを響かせたい。99年から3年間、大阪ドームの年間シート20席に少年野球チームなどを招待してきた「ノリシート」を、この日受け取った賞金の一部で増設することを決めた。さらに「テレビなどで悲惨な状況を知りましたから」とカンボジアで地雷被害に苦しむ子供たちを少しでも手助けするために、寄付する意向も明らかにした。
表彰式には池田小で現在、PTA副会長を務める本田玲子さんも会場に駆けつけ「中村選手には人と人とのつながりの大事さを教えてもらいました」と感謝のメッセージを残した。将来の日本を背負う子供たちのため、猛牛の主砲はグラウンド外でもフルスイングを続けていく。
◆中村 紀洋(なかむら・のりひろ) 1973年7月24日、大阪市生まれ。28歳。渋谷高から91年ドラフト4位で近鉄入団。94年から1軍に定着、26本塁打をマークした96年に初のベストナインを獲得。99年にはゴールデングラブ賞を初受賞。2000年に初のタイトルを本塁打王、打点王の2冠で飾った。今季は自己最多の46本塁打を放ち、リーグ優勝に貢献。打点王を獲得。家族は浩子夫人(30)と3女。180センチ、92キロ、右投右打。年俸3億円。
◆池田小関係者もありがとう 中村選手の慰問を受けた大阪教育大学付属池田小からは、PTA副会長の本田玲子さんが駆け付け「中村選手はシーズン中の忙しい中、すべての教室を回って子供たちを勇気づけてくれた」とエピソードを披露。「くじけずに頑張ること、人と人とのつながりのすばらしさを教えてくれました。ありがとうございました」と児童たちの気持ちを代弁していた。
◆校内児童殺傷事件 6月8日、大阪教育大付属池田小学校(大阪・池田市)に刃物を持って乱入した宅間守被告(37)が児童8人を殺害、15人にけがを負わせた衝撃的な事件。
◆「クレメンテ賞」受賞シリングがメッセージ
会場が大いに沸いたのは、今年の「ロベルト・クレメンテ賞」を受賞したワールドシリーズMVP、カート・シリング投手(Dバックス)のメッセージが紹介されたとき。ジョンダ夫人とともに長年にわたり、筋萎縮性側索上硬化症財団を積極的に支援したことが受賞理由。9月11日の米同時中枢多発テロにも素早く反応、大リーガー全員に年俸の1日分、総額6億円の供出を求めたことが大きな話題を呼んだ。
【シリング投手のメッセージ】中村紀洋様 今シーズンの素晴らしいご活躍、おめでとうございます。ファンの夢を乗せたホームランの数々! しかし、あなたは、それよりももっと大きなホームランを球場の外でも打っておられたのですね。「ゴールデンスピリット賞」の受賞を心からお喜び申し上げます。来シーズンもまた、お互い頑張りましょう。あなたに神のご加護がありますように。カート・シリング
◆カート・シリング 1966年11月14日、米アラスカ州生まれ。35歳。86年レッドソックス2巡目でプロ入り。オリオールズ、アストロズを経て、92年フィリーズ移籍。97年にはナ・リーグ右投手新記録の317奪三振。昨年7月にダイヤモンドバックスに移籍。今年は自己新の22勝、ポストシーズン4勝を挙げ、左腕のR・ジョンソンとのコンビで世界一に。193センチ、104キロ、右投右打。
◆新設「阿部雄二賞」も受賞 今年、創設された「阿部雄二賞」贈呈のために、会場に駆け付けたのが亡くなった阿部さんが代表取締役を務めた株式会社ユージー(現・株式会社サァラ)の原正蔵社長と阿部さんの実姉・植田效子さん。中村選手に花束を贈った植田さんは「これからも素晴らしい活躍を期待しています」と話した。
◆阿部雄二賞 今年4月9日、本賞を第1回から協賛している教育機器製造販売会社、株式会社ユージー(現・株式会社サァラ)の代表取締役社長・阿部雄二氏が逝去。同氏は本賞の協賛をはじめ、長年にわたり財団法人報知社会福祉事業団、ユニセフ(国際連合児童基金)などに寄付を続けてきた。9月、株式会社ユージー(現・株式会社サァラ)は同氏の遺志として3000万円を報知新聞社に寄贈、同賞の充実、発展を希望。報知新聞社はその遺志を尊重し、長く後世に伝えるため「阿部雄二賞」を創設し、受賞者に特別賞として100万円を贈ることにした。
◇選考委員(敬称略・順不同) 川島広守(プロ野球コミッショナー)、長嶋茂雄(東京読売巨人軍終身名誉監督、報知新聞社客員)、竹下景子(女優)、佐山和夫(作家、日本ペンクラブ会員)、伏見勝(報知新聞社社長)
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