遠藤、新三役も笑顔封印…初土俵から5年、浮かれずスキ見せず

スポーツ報知
新小結に昇進した遠藤は、部屋の前でガッツポーズ

 日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月13日初日・両国国技館)の新番付を発表した。今場所2ケタ勝利で当確となる大関取りに挑む関脇・栃ノ心(春日野)は、春巡業で女性と土俵に関わる問題で矢面に立った師匠の春日野巡業部長(元関脇・栃乃和歌)に昇進で笑顔を呼ぶ。新小結で角界屈指の人気を誇る遠藤(追手風)は、13年春場所の初土俵から丸5年での新三役。笑顔を封印して土俵に集中した努力を実らせた。

 春場所、4回目の前頭筆頭で勝ち越してつかんだ三役の座にも、遠藤に笑顔は少なかった。理由は「なんででしょうね。スキを見せないようにかな」。15年春場所で左膝を痛め、その後は両足首も負傷した。「けがをしてからは私生活でも痛みを感じて、常に(体調を)考えるようになった」。タクシー乗車中も足の状態を気にかけ、足がむくむことを恐れ、ちゃんこのスープを飲むこともためらった。

 苦闘の日々が遠藤を変えたと、師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)は言う。「この3年間でしゃべらないようになった。表に出さない。芸能人じゃないんだから」。けがや周囲の注目が重なり、寡黙を貫く古風な力士像に行きついた。遠藤自身も「自分と向き合い、つらいときは忍んで必死にやるしかない」と淡々と話す。三役になっても本名のまま。人気に浮かれることなく土俵に上がる。

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