栃ノ心、大関昇進で師匠を笑顔に
スポーツ報知

日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月13日初日・両国国技館)の新番付を発表した。今場所2ケタ勝利で当確となる大関取りに挑む関脇・栃ノ心(春日野)は、春巡業で女性と土俵に関わる問題で矢面に立った師匠の春日野巡業部長(元関脇・栃乃和歌)に昇進で笑顔を呼ぶ。新小結で角界屈指の人気を誇る遠藤(追手風)は、13年春場所の初土俵から丸5年での新三役。笑顔を封印して土俵に集中した努力を実らせた。
大関取りに挑む栃ノ心が、笑顔で夏場所の2ケタ勝利を約束した。両国国技館で新番付会見に臨み「春巡業ではファンから『大関になれるように頑張れ』と声をかけてもらった。ひとつ上の番付にいって、みなさんにお返ししたい。2ケタ勝つ」と言い切った。
大関昇進の目安は「三役で直近3場所33勝」。初場所は14勝で平幕優勝を果たし、春場所も左太もも痛と右肩痛を抱えながら10勝に到達した。初場所は三役ではないが優勝の実績は加味される見込み。これまで大関についての問いかけには「ドキドキする」とかわしていたが、この日は“口癖”を封印。しっかり「チャンス」と打ち明けた。
今も右肩痛は消えていないが、恩返しの一心が背中を押す。20日の町田巡業から激しい申し合いを再開した。土俵下にいたのは師匠の春日野巡業部長。目の前で復調をアピールし「自分が稽古をしていると師匠が幸せそうな顔をするんだよ。ずっと見守ってくれているから、苦しくても稽古できる。その期待には応えたいよな」と意気込んだ。新入幕から所要60場所での昇進なら1980年初場所後の2代目・増位山と並び史上最も遅い記録になる。初優勝の1月には師弟で抱き合った。勝負の5月へ再び奮起する。(小沼 春彦)