新小結・遠藤、会見でよろこびかみしめる 笑顔が少ないのは「スキを見せないように」

スポーツ報知
番付表を手にする新小結の遠藤

 角界屈指の人気力士、遠藤(27)=追手風=が30日に発表された大相撲夏場所(5月14日初日・両国国技館)の新番付で新三役となる小結昇進を果たした。

 2013年春場所に幕下10枚目格付け出しでデビューしてから丸5年。度重なるけがと闘いながらたどり着いた役力士の地位をこの日行った会見でかみしめた。

 ―小結に昇進した気分は

 「いつもの番付発表と変わらないです。こういうこと(会見)をしていますけど気持ちは変わらないです」

 ―三役までの道のりは

 「これからというときにまたけが。少しずつ付き合い方が見えてきた。良いときもあれば悪いときもある。そのうち良いときがあるだろうなと思っていた。けがをしたことで相撲を変えないといけないと思った」

 ―けがと闘ってこれたのは

 「小学校の頃から親元を離れて相撲だけをやってきた。小さい頃ってやりたいことが(他に)ある。そういうことを犠牲にしてきた。何とかしようという気持ちが働いたんじゃないですかね」

 ―笑顔が少ないようにも見えますが

 「何ででしょうね。スキを見せないようにしているのかな(苦笑)」

 ―三役という地位について思うことは

 「三役というより関取ですね。幕下付け出しで入門して、右も左も分からない状態で幕下上位で相撲をとった。支度部屋に入ると横綱がいるんですよ。僕の中では関取が“ライン”じゃないですけど、そういうものだった。別次元の世界で、徐々に見慣れていくじゃないですけどビックリする部分はたくさんありました」

 ―石川県からも久しぶりの三役ですが

 「やることは変わらないので。特別なことはないという感じです。久々というのも今聞かされましたし」

 ―相撲に対する考えは

 「けがをする前はメリハリでなく、すっと(相撲を日常では)忘れることができた。けがをしてから私生活でも痛みを感じると『やばいな』と思うようになった。稽古終わって調子悪いと常にそういう考え。食事にいって座敷に座ったり、タクシーに乗って足が固まったり。階段をあがるにも手すりにつかまると、相撲を完全に忘れるということはなくなっていた」

 ―以前に『忍んだ先』という言葉を使っていましたが

 「まだ変わらないです。しっかり自分に向き合ってつらいときは忍んで、必死にやるしかない」

 ―人気を背負うつらさはあるんですか

 「相撲とって土俵に上がるときに会場からすごい声援もらったりとか。アマチュアではそういうものはなかった。それがだんだん、みんながみんなじゃないので、当たり前じゃないなと思ったり。けがしたとき特にそう思って。土俵上がる前に声援もらうと、その前は恥ずかしいじゃないけど、相撲に集中させてほしいなと思う気持ちがあったんですけど。今はよしやってやろうという気持ちになったり、勝った瞬間に声援もらうと『聞くためにやってるのかな』と一瞬思ったりします」

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