貴ノ岩、沈黙破ったけど…貴乃花親方が強制終了「ちょっとごめんなさい」

スポーツ報知
貴乃花親方(右)とともに取材に応じた貴ノ岩

 昨年10月に元横綱・日馬富士関(33)から暴行を受けた大相撲の十両・貴ノ岩(28)=貴乃花=が1日、京都・宇治市の部屋宿舎で師匠の貴乃花親方(45)=元横綱=とともに報道陣の取材に応じた。貴ノ岩が公の場で発言するのは暴行被害後では初。3場所ぶりとなる春場所(11日初日・エディオンアリーナ大阪)の出場は明かさず。元日馬富士関に負傷させられた頭部の状態を聞かれると、貴乃花親方が制止し会見は約2分半で終わった。

本格稽古再開も 事件発生から4か月の沈黙を破った貴ノ岩の会見は突然、打ち切られた。元日馬富士関に殴られた頭部の状態を聞かれた瞬間、貴乃花親方が「いや、それはちょっとごめんなさい。このへんで…」と遮り強制終了。わずか約2分30秒。師匠に促された貴ノ岩は無言で砂がついた背中を報道陣に向け、立ち去った。

 渦中の人物が肉声を発するとあって、小雨交じりの寒空の下にテレビカメラ6台を含む約70人が集結。朝稽古終了後に師匠の「元気にやっています」というひと言で貴ノ岩への質疑応答が始まった。本格的な稽古再開は2月26日に「京都の宿舎に来てから」。この日も申し合いをする弟弟子たちを横目に、黙々とすり足など基礎運動を反復。だが「少しずつ体を自分なりに動かしている。まだしっくりはきていない」と相撲をとるまでに至っていない。

 暴行被害を受けた時点で前頭8枚目だった貴ノ岩は、昨年九州場所を全休。十両に陥落したが、今年初場所は昨年12月の臨時理事会で、暴行の件を考慮され、春場所は十両にとどめる特別救済措置がとられた。体重も負傷前の150キロにあと1キロと迫るまでに回復したというが、体全体の筋肉が落ちている印象もある。

 貴乃花親方が部屋の公式サイトで復帰目標と掲げている春場所の出場には「一生懸命やることだけを考えている」と明言を避けた。この日、貴乃花親方は部屋宿舎を構える京都府宇治市の山本正市長を表敬訪問。貴ノ岩について「最速ギアを入れてやっている。苦難を乗り越えて初めて大相撲ファンに認めてもらえる」と述べた上で「場所の3日前に私が判断する。そこで出せないと思ったら、出させない」と明言。取組編成会議の前日に当たる8日に、出場の可否が決まる。

(網野 大一郎)

 ◆貴ノ岩に聞く

 ―どういう心境で稽古していますか。

 「少しずつ体を自分なりに動かしています」

 ―体を動かしてみて。 「まだしっくりこないです」

 ―どのあたりがかみ合っていないか。

 「まだ相撲をとっていないので」

 ―相撲をとるまで時間がかかりそうか。

 「もうちょっと」

 ―体重は。

 「少し戻っている。何キロ? 149キロです」

 ―春場所出場に向けての気持ちは。

 「一生懸命やることだけを考えて」

 ―稽古再開はいつからか。

 「京都の宿舎に来てから」

 ―東京ではどう調整していたか。

 「東京ではリハビリとか。入院しながら」

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