日大まだ混乱、内田前監督理事辞任 スポーツ庁に説明も「分かりづらい」

スポーツ報知
理事会の内容について文科省に報告後、報道陣の取材に答える日大の大塚吉兵衛学長(中央)ら

 アメリカンフットボール部の悪質タックル問題に揺れる日大は1日、東京・千代田区の大学本部で理事会を開き、前監督の内田正人氏(62)が5月30日付で常務理事、理事を辞任したことを全会一致で承認した。問題を調査する第三者委員会も設置し、理事会後は大塚吉兵衛学長らが文部科学省とスポーツ庁に報告を行ったが、30分予定の面会時間は1時間半の長丁場に。面会後の会見でも質問と回答がまったくかみ合わず、スポーツ庁の担当者からも「混乱している。問題を上手に整理してほしい」と指摘を受けた。

 不祥事対応で後手に回る日大は、文科省とスポーツ庁への経過説明でも「?」を乱発した。30分予定の面会時間だけでは報告相手の担当者が理解しきれず1時間半もかけて説明。担当者は「話がいったりきたりで分かりづらい。混乱しているという印象。組織としてもう少しきちんとやっていただきたい」と苦言を呈した。

 理事会では内田氏の辞任を全会一致で承認。日大によると、体調を崩して入院中の内田氏から申し出があったのは5月30日。解任ではない理由を大里常務理事は第三者委の調査の結論が出ていないため「現段階では辞任の申し出を受けたということ」と説明した。

 悪質タックルをめぐっては内田氏が一貫して否定した反則の指示を関東学連が認定。辞任に当たって本人からコメントなどはなく、大塚学長らは第三者委で「改めて別の角度から見てもらう」と述べ、同28日に警察から内田氏と井上奨(つとむ)前コーチの身分照会があったことを明かした。

 また、内田氏は大学の職員として人事部長と運動部を統括する保健体育審議会局長に就いているが、今後の第三者委の報告に基づいて処遇が検討されるとした。籍は大学に残るが、再びアメフト部へ影響力を及ぼす可能性については、大塚学長が否定し「そうしないと(アメフト部のリーグ戦復帰は)認められない」と弁明した。

 第三者委の調査結果のめどが出るのは7月末。関東学連の規律委員会が求める改善策を出し、同検証委員会が認めなければ秋のリーグ戦には復帰できない。文科省からは「学生のために間に合うように頑張って下さい」と尻を叩かれた。

 理事会では田中英寿理事長が対応の遅れを謝罪したことなどが報告されたが、出席したある理事によると内田、井上両氏の主張が学連から“うそ認定”されたことや、日大教職員組合が求めた内田氏の“追放”の要望書、また「理事長の責任」を追及する声も「全く出なかった」と話した。

 大塚学長らの会見では会見を行わない理事長についての質問が集中。大塚学長は「学生問題の責任者が学長」「私の管轄。現段階では」「私の責任逃れになる気がします」と歯切れの悪い受け答え。「世間が納得するか」の問いに「それは難しいと思う」としどろもどろになった。

 ◆日大理事会の承認事項

 〈1〉内田氏の理事・常務理事の辞任を受理

 〈2〉元広島高検検事長の勝丸充啓弁護士を委員長として弁護士7人による外部の第三者委員会を設置。結果報告は7月下旬

 〈3〉内田氏は理事・常務理事以外の役職も事実上の執行停止。職員としては日大に残り6か月の自宅待機

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