日大アメフト「部員一同」責任痛感 宮川選手の復帰願う声明文

スポーツ報知
日大アメフト部の宮川泰介部員

 日大アメフト部の選手一同の声明文から苦悩と後悔がにじみ出た。宮川選手による悪質タックルが起きた背景については、監督やコーチの指示に「盲目的に従ってきてしまいました」と表現した。

 前監督やコーチ陣の固有名詞は一切出ず、指導者の総退陣を求める文言もなかったが、指導者陣に対しては、精いっぱいの誠意を求めた。今後行われる捜査機関や日大が設置した第三者委員会による調査に対し全面的に協力する意思を示した上で、指導者陣にも、宮川選手を引き合いにして「私たちが信じているチームメイトのように、誠実にありのまま全てをお話しして、その責任をしっかり受け止めて頂きたい」と要請した。

 内田前監督らから追い詰められた状態だった宮川選手については「手助けすることができなかった私たちの責任はとても重い」と反省。問題が表面化して以降、部は活動を自粛。都内のグラウンドでは数人が自主練習する日々が続いてきた。

 部の指導体制も含めて再生できたと認められた場合は他校とプレーできる機会を求め「もし可能であれば、一緒にプレーできれば」と宮川選手の復帰も願った。正々堂々を貫いて部の未来を変えられるかは、選手一人一人の心にかかっている。

 ◆声明文

 本年5月6日に行われました関西学院大学アメリカンフットボール部と私たち日本大学アメリカンフットボール部の第51回定期戦での私たちのチームメイトの反則行為について、ケガを負ったQBの選手とご家族の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、関西学院大学アメリカンフットボール部関係者の皆様、関東学生アメリカンフットボール連盟その他の関係者の皆様に、多大なご迷惑とご心労をおかけしてしまったことを、私たち日本大学アメリカンフットボール部選手一同、心よりお詫(わ)び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。また、私たちの行為によりアメリカンフットボールという競技そのものへの信頼が損なわれかねない状況に至ってしまったことについて、アメリカンフットボールを愛する全ての皆様、そして社会の皆様に深くお詫び申し上げます。

 今回の件が起こってから、私たちは、どうしてこのようなことになってしまったのか皆で悩みながら何度も話し合ってきましたが、まだ明確な答えが見つけられたわけではなく、これからも話し合いは続けていきたいと思います。また、これから捜査機関による捜査や大学が設置する第三者委員会の調査が行われるようですので、私たちも全面的に協力して、その結果も待ちたいと思います。なお、それらの捜査・調査に際しては、関係者の皆様にも、私たちが信じているチームメイトのように、誠実にありのまま全てをお話しして、その責任をしっかり受け止めて頂きたいと思っています。

 ただ、少なくとも、私たちは、私たちの大切な仲間であるチームメイトがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けすることができなかった私たちの責任はとても重いと考えています。これまで、私たちは、監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまいました。それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることも無く信じきっていました。また、監督・コーチとの間や選手間のコミュニケーションも十分ではありませんでした。そのような私たちのふがいない姿勢が、今回の事態を招いてしまった一因であろうと深く反省しています。

 私たちは、日本大学アメリカンフットボール部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います。ただし、絶対に必要だと今思っていることは、対戦相手やアメリカンフットボールに関わる全ての人々に対する尊敬の念を忘れないこと、真の意味でのスポーツマンシップを理解して実践すること、グラウンドではもちろんのこと、日常生活の中でも恥ずかしくない責任ある行動を心がけるなど常にフェアプレイ精神を持ち続けることを全員が徹底することです。そのために何をしていく必要があるのか、皆様にご指導頂きながら、選手一人ひとりが自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います。

 そして、いつか、私たち日本大学アメリカンフットボール部が、部の指導体制も含め生まれ変わったと皆様に認めていただいた時には、私たちが心から愛するアメリカンフットボールを他のチームの仲間たちとともにプレーできる機会を、お許しいただければ有難いと思っています。また、そのときには、もし可能であれば、私たちのチームメイトにも再びチームに戻ってきてもらい、一緒にプレーできればと願っています。

 私たち選手一同の今の思いは以上のとおりです。私たちは、今回の件の深い反省のもと、真剣に、謙虚に、一丸となってチーム改革を実行していく所存ですので、どうかご指導のほど、よろしくお願い致します。

 平成30年5月29日日本大学アメリカンフットボール部選手一同

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