関学大・鳥内監督「解明する気あるのか」…日大再回答に「疑念」「不自然」

日大アメリカンフットボール部選手による悪質な反則で負傷者を出した関学大が26日、兵庫県西宮市内で記者会見を開き、24日に日大から受け取った再回答書に対して「多くの矛盾が存在し、真実とは到底認識できない」と非難。51回続く定期戦の休止を発表し「最終的には捜査機関によって真相が究明されることを強く希望する」と求めた。負傷したQB(クオーターバック)の父で大阪市議の奥野康俊氏(52)も会見し「被害届を取り下げるわけにはいかない」とした上で、悪質なタックルをした宮川泰介選手(20)については寛大な処分を求める嘆願書を集めることを明らかにした。
会見は鳥内秀晃監督(59)と小野宏ディレクター(D、57)が出席。日大の再回答に対する見解には「疑念」「不自然」との言葉が並んだ。集まった約130人の報道陣を前に、鳥内監督は「本当に解明する気があるのか」と語り、新たな疑問や不信感を次々と口にした。
日大は再回答書で内田正人前監督(62)が、宮川選手に「直接反則行為を促す発言をしたという事実は確認されていない」と主張。「つぶせ」の言葉は「反則を容認するものではなく、実際に犯罪としての傷害を指示する意図の発言ではない」とした。
22日に会見した宮川選手の説明と食い違ったままで、小野Dは「宮川選手の話に信ぴょう性がある。直接謝罪の態度や印象で確信している」と断言。鳥内監督も「(内田前監督が)責任を曖昧にしている。井上(奨=つとむ)コーチは本当のことを言えていたのかな」と疑問を投げ掛けた。日大とのこれ以上の問答は「平行線をたどる可能性が高い」として質問状を今後は送らない予定。小野Dは「どちらが正しいか我々で調査するのは難しい。第三者に委ねる状況にある」と奥野氏からの被害届を受理した警察の捜査に全面協力するつもりだ。
関学大は定期戦の休止を決め、小野Dは「真相究明、責任が明確になり(悪質な反則行為)が二度と起こらないと確信できること」と再開の条件を挙げた。さらに負傷したQBと家族の支援継続を約束。QBについて鳥内監督は「今週前半から練習に参加している」と説明。27日の関大戦に「出るかもしれない」と話した。
また、悪質タックルをしてしまい、アメフト断念を表明した宮川選手についても、鳥内監督が「私は続けてほしい」。小野Dは「孤立した状態になっており、困っていることがあるなら相談してほしい」と支援を表明した。(田村 龍一)