【宏太’Sチェック】兵藤の好アシストがV弾呼んだ
スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ第7節 札幌1―0湘南(11日・札幌ドーム)
疲れから簡単なパスミスが目立った湘南戦だったが、都倉の劇的なゴールで勝てたのは大きい。土壇場で決めたのは見事だったが、そこにつながる1プレーが、何と言っても効いていた。
得点の場面、ヘディングでアシストしたのが兵藤だった。湘南の屈強なDFアンドレ・バイアに競り勝ち、都倉にパスを出した場面は、サッカーがあまりうまくない選手なら、普通に何となくヘディングして浮き球で前に出しているだろう。ただ、それでは相手もクリアしやすく、得点の可能性は低くなる。しかし、兵藤は下にボールを落とすことによって、決める確率を上げた。
野球ではよく「転がせば何かが起こる」と言われるが、サッカーも同じ。相手からすれば、クリアしたボールが浮き球で戻ってくることよりも、転がってくる方が予測はしづらい。視野に入った選手に先の展開も読んでボールをしっかり出せる、サッカーセンスが高い兵藤の巧みな技があってこそのゴールだった。
5月20日まで中2~3日の連戦が続くが、同じメンバーで戦い続けるのは、どうしても難しくなる。その中で、兵藤のような選手がいるのは何より心強い。今は先発で出ている選手もうかうかしていられないし、その状況がチームの底上げにつながってくる。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)