みんなに愛され…期待され…叩かれた平山
スポーツ報知

2007年のある日、平山が言った。「僕、言われてた海外ドラマ見るの、やめたッス」。北京五輪代表&F東京担当だった私は、代表内で米国の人気ドラマ「The OC」がはやっており、最初だけCS放送を録画したDVDを渡していた。以後は本人がレンタルショップで借りて見ていたはずだった。理由を聞くと「1回借りたら返しにいかないといけないし、それがめんどくさくなったッス」。まさかの理由だった。
平山の母からは会うたびに「なんで相太ばっかり、点取れなかったら新聞に『ノーゴール』とか『不発』って書かれるの?」と“クレーム”が来るほど「不発」の原稿を書いた。ゴールパフォーマンスで投げキスをすれば、周囲から「キモい」とイジられた。読んでいる本、通っている場所、昨夜食べたもの、好きな映画&音楽…。一挙手一投足が記事になった。誰もが平山を愛し、期待したことの証しだ。
国見高時代からゴールを量産してきた東京・国立競技場が「新国立」として再建される前にスパイクを脱ぐのは寂しすぎる。(07、08、10年F東京担当・恩田 諭)