【巨人】坂本勇、先制打を含む4安打3打点 開幕から好調を持続する理由とは…

スポーツ報知
9回無死、4安打目となる内野安打を放ち、一塁を駆け抜ける坂本勇(左は井端コーチ=カメラ・泉 貫太)

◆中日3―10巨人(3日・ナゴヤドーム)

 巨人は坂本勇が初回に先制打、4回にも2点タイムリーを放つなど4安打3打点の活躍でチームを引っ張り、由伸政権最多タイとなる18安打で10点を奪う猛打ショー。指揮官43歳のバースデーを3連勝で飾った。先発した山口俊は、昨年7月9日以来268日ぶりの公式戦マウンドで6回3失点と粘投し、今季初登板勝利をマーク。高橋監督と誕生日が同じ沢村、上原が無失点リレーの快投を見せ、うれしい白星をプレゼントした。

 右足に体重をしっかりと残し、バットの先だったが力強い打球をはじき返した。一塁ベースの上で、坂本勇は少しだけうなずいた。初回無死一、三塁。カウント2―2から柳の外角スライダーを仕留め、右前適時打を放った。「コースに逆らわずに打ち返すことができました」。開幕4戦目でチームに初の先取点をもたらす一打が、ヒットパレードの始まりだった。

 2点リードの4回には2死満塁から柳の初球スライダーを今度は左前に運び、2点打。「次の1点が大事な場面だったので、積極的にいきました。一振りで捉えることができてよかった」。相手右腕をマウンドから引きずり下ろすと、7回には右中間を破る二塁打で今季初の猛打賞をマークした。

 締めくくりは9回。先頭で二塁内野安打を放ち、この日は6打数4安打3打点の乱れ打ち。この一打から打者一巡の猛攻でチームは最終回に5点を奪い、終わってみれば由伸政権になって最多タイの18安打を重ね、10得点で3連勝を飾った。

 これで勇人は開幕2戦目から3戦連続安打を記録するなど、12年目のシーズンは幸先よく滑り出している。しかし、開幕を1週間前に控えた段階では、不安の渦の中にいた。オープン戦では10試合で打率1割9分2厘に終わった。ある時には「全然ダメです。上(半身)と下(半身)のバランスが合っていない」と、悩める胸中を明かすこともあった。

 それでも、開幕までの練習期間中はフリー打撃やティー打撃で緩いボールを投げてもらい、軸足に体重を残し、力強くバットを振り抜く作業を繰り返した。時には右足を右拳でトントンと叩くなど、意識付けを徹底した。

 さらに春季キャンプから取り組んできた左足の上げ幅を抑えた新打法ではなく、従来の大きく振り上げる形でシーズンイン。開幕を前に「早くいい状態になるように試合を通してやっていく」と口にしていた通り、これで2戦連続マルチで打率4割3分8厘。試合後は「(今は)結果がついてきている。タイミングだったり、イメージはよくなっている」と手応えを口にした。

 この日は由伸監督の43歳の誕生日。勇人は16年4月3日の広島戦(マツダ)でも1号2ランで祝砲を上げていたが、この日も別格の存在感を示した。自身は15年から主将を務め、由伸監督は16年から指揮を執るが、ともに優勝は経験していない。「(誕生日に)勝ててよかったです。今年こそ絶対に監督を胴上げしたい。そのために、先頭に立ってチームを引っ張っていく」。強い覚悟を胸に、頂点を目指して長いシーズンを戦っていく。(後藤 亮太)

巨人

×