【巨人】守りの小林、攻めの大城 スタメン捕手を併用

巨人・高橋由伸監督(42)が26日、スタメン捕手を小林と大城で併用していく考えを明かした。守り勝ちたい試合は小林、打ち勝ちたいゲームでは大城を起用する考え。捕手3番手に河野を待機させ、試合展開に応じて2人を臨機応変に入れ替えていく方針だ。また、都内で行われた「第26回 燦燦(さんさん)会総会」に出席し、壇上で異例の開幕オーダーを発表した。
フリー打撃が始まると、由伸監督は遊撃付近へと移動した。いつものケージ裏からではなく、見る角度を変えて熱視線を送った。大城は右翼席上段へとポンポン放り込んだ。小林もフォームチェックしながら、低く鋭いライナーを連発した。指揮官は、30日から開幕するシーズンを見据え、頭の中でシミュレーションをしているようだった。
東京Dでの全体練習は約3時間ほどで終わった。主にフリー打撃で調整した後、指揮官が取材に応じた。もっか売り出し中、大城の起用法になると「ここまで頑張ったというのは現実としてある。大城を使うのもおもしろいのかなと思う」と十分な戦力として考えていることを明かした。その上で「スタメン?と思っているよ。だから(オープン戦で)スタメンでいかせていたんだよ。可能性があると思っているから」とまで言い切った。
先発マスクをかぶった2試合では、計13イニングで3失点。田口、野上、山口俊のローテーション投手を引っ張ったことで評価は急上昇した。「期待感が非常にある」とは指揮官。当初は、小林を正捕手として一本立ちさせる考えにあったが、課題の打撃が27打数2安打、打率7分4厘と乏しかった。結果を示せなかったことで、大城との併用へと切り替えたようだ。
これにより、相手投手のタイプや相性で使い分けることができる。もちろん、守備を重視する由伸監督の中では、小林を中心に起用していくが、攻撃を重視したいゲームでは大城の出番。「飛ばす力がある。左にも大きいのを打てるしね」と評価する打者を8番に据え、岡本、長野と並ぶ下位打線に厚みを持たせる。村田ヘッド兼バッテリーコーチも「シーズン143試合、1人の捕手でいくことは難しい。使い分け? そういうのができたらいい」と期待をかけた。
小林がスタメンで出ても、流れを変えたい中盤で大城を代打起用し、そのままマスクをかぶらせることも可能。3番手捕手に河野を置き、万が一にも対応できる。小林を守備固めで控えさせて逃げ切るパターンなどもあり、昨年よりもバリエーションは豊富になる。
開幕カードでの大城の先発起用については「それは分からない。そこまで考えてないよ」と由伸監督。30日、阪神との開幕戦(東京D)は菅野―小林バッテリーで臨み、結果で選択していく流れになる。タイプの違う2人が競い合うことで相乗効果も生まれ、2人のレベルアップにもつながるはずだ。(水井 基博)