【巨人】今年は違う!逆転で5年ぶりオープン戦V!吉兆見えた

スポーツ報知
試合後、声援に応える高橋監督

◆オープン戦 巨人4―3楽天(25日・東京ドーム)

 巨人がオープン戦の最終戦で楽天に逆転勝ちし、11勝5敗1分けで5年ぶりのオープン戦1位で全日程を終えた。2点を追う7回に6番・岡本が同点の中前打を放ち、続く長野の2点勝ち越し打で一気に逆転。先発ローテーションを担う野上、山口俊も万全の仕上がりを見せ、勝利の方程式に加わる上原も3戦連続無失点と好投。オープン戦Vはリーグ制覇した13年以来という吉兆も見えた。公式戦は30日にセ・パ同時開幕する。

 今年は違う。そんな雰囲気が岡本に漂った。2点を追う7回2死満塁、自慢のクリーンアップで点を奪えなかったが、完成間近の大砲が空気を変えた。2番手の宋家豪から中前へ強烈な同点タイムリー。続く長野が右中間フェンス最上段に当たる勝ち越し二塁打でトドメを刺した。6、7番で一気に逆転。岡本は「追い込まれる中でもああやって粘って打ち返せた」と胸を張る。「カズマ、ナイスバッティング!」とは長野。この下位打線の勝負強さも“18年型打線”の売りの一つだ。

 ようやく、シーズンを戦い抜くための打線の骨格が見えた。キャンプから坂本勇、ゲレーロ、マギーのクリーンアップを固定。由伸監督は、この周りを固めていく作業に集中した。その中で結果を出したのが岡本。この試合、5番・マギーが申告敬遠で歩かせられた直後に快音を響かせた。15打点で、巨人の日本人打者では01年の松井秀喜以来となるオープン戦打点王に輝いた。6番にポイントゲッターがいることは例年にない強み。指揮官は「結果がついてきているのでね。当然、結果で見方も変わってくる。本人の自信も変わってくるだろうし」と手放しで喜び、期待感をさらに高める。

 一塁を争った阿部も、その実力を素直に認めている。楽天との3連戦前。23日の初戦からベストオーダーを組むと予告されていた中で先発をつかみ、慎之助から「楽天3連戦はいいピッチャーばかりだから、頑張って打てよ」と肩を叩かれた。もちろん阿部だけではない。誰もが認める存在に成長した今年は、実力で奪い取ったレギュラーだ。

 状態を上げてきた長野との下位打線は脅威になるはず。チーム打率こそ12球団最下位の2割2分3厘に終わったが、1試合平均の得点は昨年の2・47点から4点台へと成長。11勝のうち逆転勝ちが8度とチーム全体に、ここぞの勝負強さが芽生えてきた。指揮官も「こうして勝っているというのは点が取れているということ。少しは良くはなっていると思う」と手応えをつかんでいる。

 2番・吉川尚もオープン戦打率2割9分6厘をマーク。この日スタメンマスクの大城にも「まだまだ出場回数が多いわけではないけどね、期待感は非常にあるなあと思っている」とメドを立てた。小林との併用が可能なまでに頭角を現したことも収穫の一つ。相手の先発・岸には6回をパーフェクトに抑え込まれたが、開幕までの4日間で調整すればいい。リーグ制覇した13年と同じオープン戦首位で終えたが、明るい材料が多いことも何よりの吉兆だ。(水井 基博)

 ◆13年シーズンの巨人 オープン戦を10勝4敗3分けの首位で終えると、その勢いのまま開幕から1分けを挟んで7連勝とロケットスタートに成功した。6月の交流戦を13勝10敗1分けの3位で戦い抜き、そこから独走状態。9月22日の広島戦(東京D)に勝利してリーグ連覇を決め、広島とのCS最終Sも3連勝で圧倒。楽天との日本シリーズは3勝4敗で競り負けたものの、1年間通してチームは好調だった。

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