【R―1ぐらんぷり】異色芸人・濱田祐太郎が優勝 2位・ゆりやんレトリィバァに7票差圧勝

ピン芸人日本一決定戦「R―1ぐらんぷり 2018」決勝が6日、東京・台場のフジテレビで行われ、生まれつき全盲に近い弱視という濱田祐太郎(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)が優勝した。優勝賞金500万円を獲得した。
濱田は「ぼく、めちゃくちゃ噛みましたよ。ありがとうございます。ずっとアマチュアの時から出ていた大会で、優勝したかったんで…」と喜んだ。
ファイナルステージはおぐ(SMA)、ゆりやんレトリィバァ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)、濱田の3者で争われた。濱田は12票を獲得し、2位のゆりやんレトリィバァに7票差、3位のおぐに8票差をつける圧勝だった。
生まれつき全盲に近い弱視という濱田。左目は見えず、右目は明るさを確認出来る程度という。同大会で、視覚の不自由な芸人の決勝進出は史上初。漫才日本一決定戦「M―1グランプリ」、コント日本一決定戦「キングオブコント」、女ピン芸人NO1決定戦「THE W」の決勝を見渡しても、出場例はない。
濱田は卒業後、吉本芸能総合学院(NSC)の35期生に。入学の際、NSC側から「目の不自由な人をサポートする仕組みはないから、どこまでできるか分からない」と言われたが、思いを貫いた。昨年10月には、「NHK新人お笑い大賞」の決勝に勝ち残った。
耳だけで客の反応を推し量る。だから、舞台は「毎回、不安になる」。笑いが起きない時は「今日はお客さんがいない」と自らに言い聞かせ、乗り切るようにしているという。長距離の移動は、同期の芸人や吉本興業の社員に同伴してもらうこともある。
R―1は、人生で初の舞台だった。2012年の1回戦、自分なりにベストを出せたというが「むちゃくちゃ緊張した。ずっと膝が震えていた。家帰るまで震えていた」と大会前の会見で振り返っていた。一人やたらと笑う中年男性の声が今も耳に残る。初出場で準決勝まで進出していた。
この日、Cブロックの結果発表時には、モニタが見えない濱田のために、隣りにいた紺野ぶるまが逐一説明していた。
◆ファイナルステージ結果
12票 濱田祐太郎(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票3、審査員票9=
5票 ゆりやんレトリィバァ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票2、審査員票3=
4票 おぐ(SMA)=視聴者票1、審査員票3=
◆ブロック結果
▽Aブロック
11票 おぐ(SMA)=視聴者票3、審査員票8=
6票 おいでやす小田(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票2、審査員票4=
3票 カニササレ アヤコ(フリー)=視聴者票1、審査員票2=
1票 ルシファー吉岡(マセキ芸能社)=視聴者票0、審査員票1=
▽Bブロック
10票 ゆりやんレトリィバァ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票3、審査員票7=
10票 チョコレートプラネット長田(よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京)=視聴者票2、審査員票8=
1票 霜降り明星 せいや(よしもと・クリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票1、審査員票0。復活ステージ2位=
0票 河邑ミク(松竹芸能 大阪)=視聴者票0、審査員票0=
▽Cブロック
8票 濱田祐太郎(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票3、審査員票5=
8票 マツモトクラブ(SMA)=視聴者票2、審査員票6。復活ステージ1位=
5票 霜降り明星 粗品(よしもと・クリエイティブ・エージェンシー大阪)=視聴者票1、審査員票4=
0票 紺野ぶるま(松竹芸能 東京)=視聴者票0、審査員票0=
◆歴代優勝者
02年 だいたひかる
04年 浅越ゴエ
05年 ほっしゃん。
06年 博多華丸
07/08年 なだぎ武
09年 中山功太
10年 あべこうじ
11年 佐久間一行
12年 COWCOW多田
13年 三浦マイルド
14年 やまもとまさみ
15年 じゅんいちダビッドソン
16年 ハリウッドザコシショウ
17年 アキラ100%