【阪神】V打!美守!鳥谷で2位浮上「久しぶり過ぎて何かよくわからない」

阪神・鳥谷が攻守で活躍し、連敗を2で止めて2位に浮上した。今季初めて三塁で先発出場すると4回に守備でピンチを救い、1―1の6回2死一塁では右中間へ勝ち越し二塁打を放った。7回1失点の先発・秋山は5勝目。オリックスとの“関西ダービー”を1勝1敗(通算27勝27敗1分け)とし、雨天中止の翌日は今季6戦全勝となった。
言葉に詰まることも、感情が揺れることもなかった。「本当に久しぶりすぎて、何かよく分からないですけど…」と苦笑いで招かれた甲子園のお立ち台。鳥谷はまず、ファンへの気持ちを口にした。「やっぱり、声援というのはありがたく思っています」。今季初めて三塁で先発出場。恩返しの思いをプレーに込めた。
まずは4回の守備だ。1死一塁でマレーロの強烈な打球に飛びついた。素早く二塁へ送球し、併殺打とした。「去年も1年間守っていたし、そんなに違和感はなかった」。昨季、遊撃からコンバート1年目でゴールデン・グラブを受賞したポジション。先発の秋山を救出し「本当に頼れる偉大な先輩です」と感謝された。
まだ打率2割を超えていなくても、ここ一番の集中力は健在だった。同点の6回2死一塁、昨年の交流戦で一発を放っている金子から右中間へ二塁打。「たまたまいい所に飛んでくれた」と謙遜したが、同い年の糸井が勝ち越しのホームを踏んだ。
5月29日のソフトバンク戦(甲子園)で、新人だった2004年から継続してきた連続試合出場が止まった。歴代2位の1939試合。「個人的な記録なので、どうというのはない」と言い切り、外野のランニングから始まる試合へ準備を怠ることはなかった。「出られるところを探すしかない」と三塁を始め、一塁でも守備練習に取り組んだ。5日のシートノック後には、オリックス・小谷野から「大変そうだな」と気遣うように声をかけられた。1学年上でも、同じ三塁の定位置を死守している先輩だけに刺激もあった。
連敗を2で止め、2位に浮上させた打の主役。記録が止まるまでは打率1割4分3厘だったのが、それ以降の7試合は14打数5安打(打率3割5分7厘)と復調気配が漂う。金本監督は「本調子だったら、もちろん。いいものを使うんですから」とベテランの奮起を喜んだ。今月26日で37歳。空白を埋める舞台は、まだまだある。(長田 亨)