エンゼルス大谷、ダブル芸術打!…二刀流神話だ!出場9連勝!逆転呼んだ

◆ロイヤルズ4―5エンゼルス(13日・カンザスシティ)
エンゼルスの大谷翔平投手(23)が13日(日本時間14日)、敵地・ロイヤルズ戦で打順をこれまでより一つ上げて「7番・指名打者」でスタメン出場し、2回に初の二塁打。1点差の8回では逆転を呼び込む中前打で今季3度目のマルチ安打とした。4打数2安打1得点と連日の活躍で、チームの6連勝に大きく貢献した。
まるでイチローのような芸術的な一打だった。大谷は崩されそうな上体をグッと我慢させ、中継ぎ右腕グリムの縦に割れるカーブを捉えた。1点を追う8回無死一塁、ライナーで運ぶ中前打。チームを鼓舞するように両手を強くたたいた。
「つなぐか、つなげないか。あそこはすごく重要な場面。下位から上位に向かっていく中で、すごくいいヒットだった」。代打・バルブエナの同点打の後。1死一、三塁、キンズラーの中犠飛で三塁から決勝のホームへ滑り込んだ。大谷の一撃が逆転勝ちでの6連勝を呼び込んだ。
8番から7番に打順が昇格した。2回1死では三塁手が三遊間、遊撃手が二塁付近を守る「大谷シフト」が敷かれる中、通算92勝右腕ハメルの内角球を左翼線へ落とし、メジャー初の二塁打。デビューしたアスレチックスとの開幕戦こそ勝てなかったものの、投打で出場した試合はこれで9連勝だ。ソーシア監督は「ショウヘイはマウンドと打席で結果を出してチームを活気づけてくれている」と評価。まさに“二刀流神話”となっている。
「今日は(4回に遊撃・シモンズの送球エラーと)アンラッキーな失点があった。試合をひっくり返せたのはすごくいいこと。明日以降にもつながる。チーム状態はすごくいい」。開幕15試合で12勝3敗の好成績は、殿堂入りのノーラン・ライアン、ロッド・カルーらを擁し、地区初Vを飾った1979年以来39年ぶりだ。
この日は雷雨の天気予報。試合前の屋外打撃練習は行えなかったが、室内でバットを振って準備。打席間にヒマワリの種を食べ、殻を紙コップに捨てる姿も板に付いてきた。初対戦が続く中で直近の3安打は全て追い込まれてからの快音。粘り強い打撃で結果を残している。「2ストライクからはふつう打率は急激に下がる。そこでいい打撃ができているのはすごいいい傾向」。メジャー1年目からの躍動へ、確かな自信が芽生えつつある。(小谷 真弥)