大谷3戦連発!軽々137メートル中越え3号、松井氏に並び「すごい光栄なこと」

◆エンゼルス13―9アスレチックス(6日・アナハイム)
【アナハイム(米カリフォルニア州=小谷真弥】エンゼルスの大谷翔平投手(23)が6日(日本時間7日)、本拠地のアスレチックス戦で驚異の3試合連続アーチをかけた。「8番・指名打者」で先発出場。6点を追う2回2死、中越え3号特大ソロを放った。日本人選手の3戦連発はヤンキース・松井秀喜以来2人目。チームを3連勝、ア・リーグ西地区首位タイへと導く大きな一発となった。
深い左中間側にある本拠地名物の巨大な岩「ロックパイル」から真っ赤な炎が上がる。大谷のフルスイングが静かだった球場を一変させた。6点を追う2回2死、2ボール。先発右腕、ゴセットの真ん中に入るツーシームを逃すわけがなかった。軽々と中越えに飛ばし、3試合連発となる3号ソロとなった。
「何とか出塁して1点でも多く取りたかった。芯で捉えていたし、しっかり自分のスイングが形よくできた。長打よりは走者をためて、大量得点につなげたかった」。この一発をきっかけにチームは乱打戦に持ち込み、7回には逆転に成功。両軍27安打22得点の激戦を制して3連勝を飾った。
憧れの強打者と肩を並べた。3戦連発は日本人選手ではヤンキース・松井秀喜が04年9月、07年7月にマークして以来の偉業だ。エ軍のメディアガイドでは、好きな打者に松井氏の名前を挙げている。
「すごい光栄なこと。本塁打になっているのは、いいスイングができているから」。打席の度に地元ファンから“OHTANIコール”。5回1死満塁でストレートの押し出し四球を選んだ際には、相手投手にブーイングが飛んだ。松井氏から「もともと持っている能力は歴代のプロ野球選手の中でも一番」と太鼓判を押される23歳のバットが止まらない。
フリー打撃でも誰よりも遠くへ飛ばす。メジャー自己最長となったこの日の一発は飛距離449フィート(約136・9メートル)。今季出た全打者157人230発の本塁打中でも7番目【注】のビッグアーチだ。この日も大谷なら本塁打を狙ってもいい場面だったが、首を横に振る。「本塁打を狙って打つ感覚は持ってない。二塁打を基準にして、その延長で本塁打だったり、打ち損じが安打という考え方」。本塁打については「一発で点が入るのは魅力的」と言うが、この独特な理論がパワフルな打撃の源だ。
打者出場4試合で3発。その内訳はダメ押し3ラン、同点2ラン、6点差からの反撃ソロと、いずれも価値のある一発。チームは3連勝。本拠地では逆転のチャンスで登場するマスコット「ラリーモンキー」がいるが、「ラリーショウヘイ」と言っても過言ではない。
試合後は「いくつかチャンスを物にできなかった打席もある」と7回無死二、三塁など3度の得点機での凡退を悔やんだ。7日の同カードは欠場し、8日(日本時間9日)の本拠地初登板へ向かう。「良い試合が続いているので、その流れに乗って、しっかりと先発としての役割を果たせるように頑張りたい」。メジャー二刀流の快進撃はまだまだ続く。(小谷 真弥)
※【注】飛距離1位はWソックス・ガルシアの147メートル。