一冬超えれば化ける高校球児!プロ選手がしていた冬トレは?

プロ野球はオープン戦の真っただ中。高校球児も、いよいよ球春到来だ。8日に練習試合が解禁され、23日には、90回記念のセンバツが開幕する。
高校球児は「一冬を越えると化ける」と言われるように、冬のトレーニングは大事なもの。あまりのキツさと強烈さに、大人になってからは、酒席の鉄板ネタになることも。そこで、春季キャンプ中のプロ選手に、高校時代の冬のトレーニングを振り返ってもらった。
◆とにかく走った 楽天・オコエ瑠偉外野手(東京・関東第一)
冬の練習は、とりあえず毎日めっちゃ走って、めっちゃきつかったです。でも、ちゃんと考えられていて、心肺機能を上げるための練習でした。むやみやたらに、精神的なことを鍛えるために走るっていう、昔ながらの感じではなかったですね。とはいえ、一番少なくてもグラウンド一周を10本とか。タイムのノルマも人によって違ったので、みんなきつかった。あれだけ走れば、負けないという自信もつきましたよ。
◆長靴ラン ヤクルト・石川雅規投手(秋田・秋田商)
秋田の冬は膝ぐらいまで雪が積もりますから、その中で長靴を履いてポール間とかを走って、靴の中まで雪が入って冷たかったことを覚えています。手も足もかじかむから、制服に着替える時にボタンも留められなかった。でも、あの時に走ったからこそ、長くやらせてもらえているのかなと思います。
◆丸太ダッシュ 日本ハム・森本龍弥内野手(富山・高岡第一)
7~8キロの丸太を持って、300メートルを走るメニューですかね。タイムを計って、10本とかやるんですけど、それが一番きつかったですね。タイム内にゴールできなかったら、1本の加算がされないんですよ。設定は、55秒とかだったかな? みんなでタイム内にゴールできなかったらダメ。1人だけ切れなくてもダメみたいな感じで…。あれはしんどかったっすね。
◆アヒル歩き ヤクルト・雄平外野手(宮城・東北)
思い出すのは、アヒル歩きでポール間を3往復。下半身がやばいです。あとは27キロ走ですね。定義山という山でバスから降ろされるんです。スタートからすごい坂で、山が何個あるのかよくわからないですけど、山を越えましたね。スキー場の麓から18キロ走というのもありました。あれで、足腰が強くなったと思います。
◆0°Cノック DeNA・飯塚悟史投手(新潟・日本文理)
雪が積もっていない時に、グラウンドで受けた特守です。最初は寒すぎて、指先の感覚がなかった。ちゃんとスパイクを履いて、みんなでローテを組んで、30分×4セットくらいですかね。日が落ちるが早いので、夜は照明をつけてやりました。気温は0度くらい。本当にしんどいし、あの中でやるという孤独感というか…。メンタルを鍛えられました。
◆“はだラン” 西武・斉藤大将投手(神奈川・桐蔭学園)
一番きつかったのはポール間往復ダッシュですけど、一番思い出に残っているのは“はだラン”ですね。読んで字のごとく、はだしでランニングをするんです。冬場は毎日、練習の最後に監督のOKが出るまで、全員が声を全力で出しながら、足がそろうまで走り続けるんです。時間にすれば20~30分程ですし、ランニング自体は別にしんどくないです。ただ、ウチの高校のグラウンドは人工芝なので、それがキンキンに冷えきってて、足がめちゃくちゃ痛いんです。途中からは感覚もなくなってくるし、決して楽ではないです。普通のチームはやらないような、特殊メニューでしたね。
◆階段上り下り ロッテ・菅野剛士外野手(神奈川・東海大相模)
冬トレで覚えていることは、朝練でとにかく走ったことです。朝グラウンドのホームベースに集合。6時ちょうどに笛が鳴ると、グラウンド1周(約300メートル)のタイム走を5本、班に別れてのリレーも5、6本。今度は、ひたすら校内の階段の上り下りをしてました。これを1時間半~2時間。寒い日だと、汗をかくと頭がシャリシャリに…。触ったら凍ってました(笑い)。あの時が一番きつかったですけど、あの走り込みがあったからこそ、今があると思ってます。